高村薫さん・五條瑛さん・福井晴敏さん・古処誠二さん等の小説、海外の海洋小説、歴史、B'z、を糧に生きている人間の日常。
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本★アレグザンダー・ケント著/高橋泰邦=訳『海の勇士/ボライソーシリーズ11 白昼の近接戦』
2005年04月04日 (月) | 編集 |
本★アレグザンダー・ケント著/高橋泰邦=訳
 『海の勇士/ボライソーシリーズ11 白昼の近接戦』(早川書房)1991.01.31

相変わらず、船の乗組員からボライソーに宛てた
ラブレターを読んでいる気がするんですが。
面白いのは、ヘリックもボライソーも昇進していくことで、
お互いの関係性が微妙に変化して、
それが物語に奥行きを与えていることです。

もう、ヘリックが切なくて切なくて仕方ないのだけど!
ボライソーは天才です。
そういう人に、本気でついていこうとしたら、どういう苦渋を味わうことになるか。
ヘリックには、
「自分が一番、司令官(ボライソー)のことを知っているのだ」という自負があり、
そして現実に、ボライソーの望むものをよく知っていて、
自分に失望させまいと願うものだから、
焦慮とか、プレッシャーに圧し潰されそうになっている。
もっと高みへ、さらに上を目指そう、という気にさせてくれる存在は、
ヘリックのように実直で忠誠心の塊のような男には、耐えられない重圧なんじゃないか。
 
その上、艦長と副長という関係から、
司令官と旗艦艦長という関係への移行が、スムーズにいかない。
周囲への配慮から、ヘリックが親しさを出すのを避けると、
ボライソーには寂しくて物足りない。
心労でクタクタになりつつも、威厳を保とうと必死なヘリック。
その努力を、ボライソーにも分かってもらえずに!
ボライソーは、昔と変わらぬ姿でいたいようだし、司令官という立場に就きながら、
いつも通り戦闘の最前線に飛び出して、周囲をやきもきさせる。
それを、泣きそうな顔で制止(というか懇願)するへリックが、本当に気の毒。

へリックがボライソー司令官について言うことがもう、電波系の域に達していて

「司令官はあそこにおられる、待っておられる、自分が行くのを
 期待しておられると、自分の内側の深い所でそう感じたんです」

もう1人、忘れてならない艇長のオールデーは、
こちらはボライソーとの関係性の変化はないので、全くいつも通り。

 “オールデーにしてみれば、戦隊も、フランス軍も、血なまぐさい全世界も、
  それぞれ勝手にやればいいのだ。
  もしボライソーに何事かあったら、もはやほかに重大な事など何もありはしない。”
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