高村薫さん・五條瑛さん・福井晴敏さん・古処誠二さん等の小説、海外の海洋小説、歴史、B'z、を糧に生きている人間の日常。
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本★リチャード・コニフ著/楡井浩一=訳『金持ちと上手につきあう法 「ザ・リッチ」の不思議な世界にようこそ』
2005年08月01日 (月) | 編集 |
本★リチャード・コニフ著/楡井浩一=訳
 『金持ちと上手につきあう法 「ザ・リッチ」の不思議な世界にようこそ』(講談社)2004.3.15

リチャード・ニコフ氏は、先日読んだ『ちょっと気持ち悪い動物とのつきあい方』の著者。
「ナショナル・ジオグラフィック」や「タイム」などに寄稿するなど、
幅広い活動をされています。

この本も、切り口が斬新!
なにしろ“金持ちについての動物学的考察”を試みようとするのだから。
熱帯の奥地に、汚れてもいいような迷彩服のTシャツを着て行く
動物観察とは違い、金持ちの観察には、元出が必要です。
コニフ氏は、買えば15万$もするという赤いフェラーリF355スパイダーをレンタル。
さて、彼が行くのは世界でも有数の高級住宅地、観察するのは、

 ホモサピエンス・カネアルヨン

これは訳者の方の大手柄ですね!なんという名称。ぴったり。

コニフ氏は、金持ちに同情的です。
“ダーウィン進化論の論法にしたがえば、わたしたちは、社会的ステータスを利用して
 繁殖の機会を得た優位の動物の子孫である”という動物学的見解に立っています。

こんな逸話が紹介されている。

 “イギリスのトップクラスの富豪50人に手紙を出し、
 「国王エドワード三世の末裔」であるかたがたに歴史的建造物の保存を
 支援していただきたい、と要請した男がいたという。系図的には安全な賭けだった。
 14世紀に君臨したエドワード3世は17人の子どもをもうけており、
 現代のイギリスには、ざっと200万人の後胤がいると考えられるからだ。”

日本で、藤原鎌足の子孫を名乗る人が多いのも同様の理由かと思われる。
(まぁそれは、わたしの住んでいる地域の特性かな・・・)

それでも、進化というのは驚くべきものです。
作中紹介されている、ある科学者の言では
“「木にぶら下がり、ぼりぼり昆虫を食んでいたぎょろ目の小さな霊長類が、
 ジュリア・ロバーツに」変容してしまう”魔法。

人間は、富を蓄えたがる。
それをたくさん持っている人がつまり“金持ち”で、社会で幅をきかしている。
ところが、リスやクリネズミ、ヨーロッパモグラには見られるけれど
霊長類には、貯蔵するという例がない のだそうです。

金持ちほど大がかりなパーティを開きたがる。
企業や政治家のパーティ、有力者の結婚披露宴などは、壮大なものらしいですね。

“この饗応合戦こそ、人間が富の獲得に用いた手段だったと推測するのは、
 考古学者ブライアン・ヘイデンだ。
 農業が金持ちを生んだという説に反対している。逆に金持ちが農業を生み出したのであり、
 忘れがたい宴会にするためのもう一品を見つけたくて始めたことだと論陣を張る。”

通説は、小学校か中学校の教科書に書いてある通り。
まだモンキー風味の残る人間のイラストが印象的な、あれ。
農耕を覚えた人間が、余剰生産物を持つことにより、富の概念ができたとか何とか。

教科書に書いてあると、それしか真実がないように思ってしまいがちだけれど
こんな風に考えてみるのも面白い。

さて、ホモサピエンスの擬態を見てみましょう。
大金持ちが集まるモナコでは、それを目当てに来る女性もいる。
アルベール皇太子が来るという店では、その評判だけで、
プリンセス志望の女性が来るそうです。
すると、その美女を目当てに、皇太子を装う男たちをも呼び寄せる!
それほど金持ちでない彼らは、複数人でロールスロイスを1台借り、交代で使用する。

そこで例に出されるのが、アリを装うカブトムシ。
偽装して、アリのコロニーの食糧や、施設、セキュリティー・システムなどを借用するのだそうな。


アマゾン・ドット・コムの創始者ジェフ・ベゾスは、シアトルのダウンタウンに
借りていたアパートを出て、メディーナ郊外の1千万ドルの豪邸に移り住みました。
お隣りさんは、ビル・ゲイツ、ジョン・シャーリー、ネイサン・ミアボルドら
マイクロソフトの億万長者たち。
ベゾスは、アイスランドのGNPに匹敵する純資産の保持者だそうです。
ご近所さんもみんな国家レベルの財産の持ち主。そこで繰り広げられる、豪邸建築合戦・・・。
しかし、メディーナでは、最近は1200平方メートル以上の家の建築が
一時的に、停止されることになったそうです。
理由は、巨大な邸宅が地域のほかの住民に非常に大きな負担をかけるから。
2000年、メディーナの平均的家庭の水の使用量が300キロリットルだったのに対し、
ビル・ゲイツの6千平方メートルの複合住宅の水使用量は、1万8千キロリットルだったらしい。
一体そんな水をどこに使うんですかビルジー・・・。

金持ちは、下からあおるようなアングルで写真を撮られることを好むそうです。
(もしかしたらカメラマンや読者がそんな構図を好むのかも知れませんが)
これは特に男性の場合に顕著でしょう。
ボスザルみたいな、優位なオスという印象を持たせますよね。
本書でも、いくつか実際に写真が紹介されていますが、
いかついディアブロ車の隣に立ち、髭がワイルドで
ギャング映画に出てくるようなヘンリー・ニコラスとは違い、
ビル・ゲイツの場合は、マイクロソフトの段ボール箱の上に、
ポケットに手を突っ込んで立つ姿。
遠目には、ぽっぺん先生のように見える彼の愛嬌たっぷりな姿が
これほどまでにWindowsを普及させた理由かも知れません・・・。

金持ちの吸引力ということでは、お金持ちに仕える人々が紹介されてます。
昔なら執事、今なら秘書ということになろうか。
ある男性個人秘書は、インタビューで、こう↓語った。

“「夜、ベッドで眠りに落ちる直前に、きょうわたしは、
 あなたの人生がよくなるようなことが、何かできただろうかと考えます。
 で、翌朝、真っ先に考えるのは、きょうわたしは、あなたの人生を楽にするための
 何ができるだろうか、ということです。その見返りに望むことは、
 優しく、思いやりある態度で接してくださることだけです」”

なんとまぁ・・・加納祐介 なども、時折そう思わないでもないけれども。
(掃除も料理もしてくれる、貯まった請求書の類を代わりに支払ってくれる・・・
 それも合田にだけしているように見える。合田の吸引力は素晴らしい)
それに18世紀頃のイギリス海軍の帆船の艦長!(笑)

自己犠牲を厭わない信奉者はいても、しかし、金持ちは孤独な種です。
「バットマン」の制作者のグーバー氏が言うには
“「金持ちでいて困るのは、ほかの金持ちにしか会わないことだ」”そうです。

ホモサピエンス・カネアルヨンは、結局は限られた棲息地に生活する特殊な種。
生活様式、行動様式、繁殖方法(近親交配を好む傾向がある)、
さまざまな面で、一般庶民とは異なっている点がある。
機会さえあれば、観察すると面白いに違いないです。
ただ、カネアルヨンと接する機会がないんですが・・・。
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