高村薫さん・五條瑛さん・福井晴敏さん・古処誠二さん等の小説、海外の海洋小説、歴史、B'z、を糧に生きている人間の日常。
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映画★「亡国のイージス」
2005年08月18日 (木) | 編集 |
観てきました、映画「亡国のイージス」!
劇場は、梅田ブルク7。大阪駅から少し歩いて阪神百貨店の裏、
凝ったカフェやレストラン、雑貨店や服屋さんが入っている洒落た「イーマ」ビルの7階です。
噂通り、音響は良かった。スクリーンも。
そして何よりロビーが良い。
雑然と、グッズやポスター、パネルなどが立ち並び、
何ヶ月も先に上映される映画についても、期待を盛り上げてくれます。

(以下、ネタバレがある箇所は文字色を白に指定します)

さて、映画「亡国のイージス」の感想なんですが。
やっぱり、大作小説の映画化は難しいんだと、ひしひしと感じました。
いや、ものすごく好きで愛着のある小説を、端折って映画化されるのは
原作の大ファンとしてはやはり抵抗があるというか、残念というか。

あ、でも、こだわっていた真田仙石なんですが、
戦闘方法とかいろいろな仕草が、スマートじゃなく って、
それはやっぱり仙石らしくしてあるんだな、と思いました(笑)

でも、映画化されて良かったと思う。
わたしはこの小説を読んで、自衛隊に興味を持って、
関連書物を読んだり、実際にイージス艦を見学したりしましたが、
武器の扱い方は分からなかった。
重そうな水上発射管HOS-302の動かし方が、分かりました(笑)
魚雷や、ハープーンが発射されるところ、
127mm速射砲が発砲するところは、CGっぽかったけれど、
あんな感じなんだなぁと思った。

後半の手に汗握るシーンは、結末を知っていながら引き込まれ、
仙石と一緒に艦内を走っている気分になりました。
やはり映画の基本、醍醐味なんですよね、ああいうのが。

それからブリーフィングです、映画化で成功しているなと思ったのは。
渥美(DAIS内事本部長)や瀬戸(内閣情報官)、梶本(内閣総理大臣)の
関係把握がしやすく、やり取りが面白かったです。
特に瀬戸を演じた岸部一徳さんは、相変わらず演技がすごい。日本映画界の宝だ!
「平和とは、戦争と戦争の隙間だと思ってる」
と、岸部さんに言われると、もう説得力ありすぎて、その通りだと頷いてしまう。
特に江戸時代は、隙間が長かったんだ!
一徳さんは、あんまり印象に残らないような役を、
強烈なインパクトで、主役に押し上げてしまいますよね。
役になりきるというのとは違って、役を自分に引きつける感じなので、
思い入れの強い登場人物を演じられると困惑するかも知れませんが。
でもすごいなぁ。
梶本も良かったですね、選挙のことしか考えていないようで(その通りかも知れないけど)、
事態の把握が素早く、頭のまわりが良く、臆せず本音をがんがん言う。
この緊急事態に、これだけテキパキした総理がいるのは助かりますよね。

これは残念!と思った筆頭が、
宮津が阿久津の 部屋長 という設定ではなかったこと。
衣笠が「いそかぜ」艦長で、さっさと殺されてしまって、
その設定のせいで、衣笠と阿久津の息の合ったコンビぶりと、
疎外感を感じてしまう宮津の様子が拝めなかったこと。

寺尾聡さんは役者として好きなんだけれど、宮津にしては覇気がない。
(ドラマで演じられている伝法肌の刑事役のほうが良いなぁ(笑))
無言の迫力はあるけれど。
しかし、未曾有の復讐劇を、今までの仲間を皆殺しにしても遂行しようとしているんだから、
もっと毅然たる決意のようなものが欲しかった(特に最初のほうに)。
原作で描かれているような操艦技術の確かさとか、魅力的な人柄なんかを
映画でも示しておかないと、幹部たちが、宮津に心服している理由が分からない。
“宮津学校”も、意味が分からないんじゃ。

それに、宮津が、あんなに日焼けしているのはおかしいと・・・
普通、艦長職ではさほど日焼けなんてしないものだと思います。
(あ、でも映画では副長か・・・)
システム化され、CIC(戦闘情報指揮所)が艦の主軸となった現代なら尚更。
ホーンブロワーの18世紀の頃だって、部屋にこもりがちな艦長が、
さほど紫外線に曝されるということは、ないんじゃないかなぁ。

ヨンファの持っていたGUSOHが偽物じゃなかったこと。
本物だったんですよねあの感じだと。)
原作では、ダミーのGUSOHを浴びて、呆然と立ち尽くすヨンファの姿が印象的でした。
あれだけの犠牲を払い、全てを賭けて、大挙に出たというのに、
アメリカの掌の上で踊らされているに過ぎないんだと、思い知らされた瞬間。
総理の梶本以下、胃潰瘍になりそうなほど対策に窮し、憔悴しているというのに
同盟国のはずのアメリカから、政府の中枢部に、真実は何も知らされていなかった・・・
そういう事実に直面するのが、大きな意味を持った オチ だと思っていたんですが。
あれだけ汲々とした意味は何だったんだ!という、あの空しさがね・・・。

アメリカをそこまで描けないのは、いろいろ難しい問題があるからですか。
そして、素直に離艦しちゃう隊員たちと、ヨンファの部下達を比べると、
覚悟の違いというのをはっきり感じます。
言葉を発せず、黙々と任務に打ち込み、アイコンタクトだけで意思の疎通を図る彼らは
軟弱な「いそかぜ」幹部と比べると、認めたくはないが、ヨンファの部下はかっこよかった(笑)
「みっともなくても生きろ!」と言い、なんとか生き残ろうとするクルー達と、
作戦失敗後に、自決して果てるヨンファの部下は、
生と死を挟んで対照的 でしたね。

安藤政信氏の演じたドンチョルの最期は、とても印象的だった。
そりゃ、あれを見たら竹中なんかあっさり切り捨てるよな、ヨンファは。

ところでヨンファとジョンヒが兄妹だということは、あの写真1枚で察しろということですか。
ジョンヒが喋れない理由も、あの喉の傷一つで察しろというのですか。
ヨンファの部下たちは殆ど喋ってませんでしたが、彼らにも傷があるのかも(笑)

菊政克美の登場が少なかった!
行の後をちょろちょろついて歩く可愛い姿をもっと見たかったな~
全体的に(たぶん時間の関係で)、艦のクルー達の日常生活が
ほとんど描かれていなかったから、如月が心を開いていく様子がじっくり見られない。
それでは、やっと手に入れた自分の居場所を捨てて、艦を爆破させ、
仲間ともども死ぬという任務を遂行することへの、
如月行の感じたであろう苦悩や苦痛 が、実感できない。

如月行と両親の関係が、あの映画の描写だけで正確に分かった人はいるのだろうか。
『オールアバウト如月行』という本の表紙は、
如月を演じた勝地涼氏が犬(シロ)を抱いている写真なのだけれど、
そういう如月の過酷な過去は描かれていない。
DAISの置かれた複雑な立場もあまり分からないと思う。

仙石の家庭は崩壊していなかった!
というか妻が死んでいて、娘ともうまくいっていて、そうなのかー・・・・・・と・・・。
そういう設定なのか。
いろいろ、設定が変わっていると、頭を切り換えないといけません。
そういうものだというのは分かっているはずなんですが。
そう、観る者が意識して変わらないとダメなんでしょうが。

仕方ないとは分かっているんですけどー!
(泣きながら走り去る勢いで。)

「レディ・ジョーカー」にしろ「姑獲鳥の夏」にしろ
「亡国のイージス」にしろ、職場で観た人に訊いてみると、
「分からなかったから原作を読んでみようと思う」という反応が、結構ありました。
普段あまり本を読まない層に働きかける力があるんなら、
映画としても、成功しているのかも知れません。
そういうので良いのかも。
自分だって、原作を知らない映画は、そういう姿勢で観ているはずなんだから・・・。

これで終わりじゃない、ですよね。
きっとまた何十年後かにリメイクが出て、また次世代に受け継がれていく。
大河ドラマ並に、じっくり描ければいいんじゃないかと。
そんな大きな事件がなくても、仙石や田所や菊政や如月の日常を描いているだけでも
海自ドラマとしては成り立つのだろうし。見てみたいなぁ。
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ローソンで買い物したら映画「亡国のイージス」スペシャルDVDをくれました。さっそく観てみました。映画の予告編の前にクイズがありました。6問中正解は2問。第6問なんてクイズって言えるの? とだれもがつっこむ質問でした。…Cを選んだんですけどねっ。う~ん、映画はあん
2005/08/19(金) 02:58:11 | Macole
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