高村薫さん・五條瑛さん・福井晴敏さん・古処誠二さん等の小説、海外の海洋小説、歴史、B'z、を糧に生きている人間の日常。
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本★森博嗣『ダウン・ツ・ヘヴン』
2005年09月04日 (日) | 編集 |
本★森博嗣『ダウン・ツ・ヘヴン』(中央公論新社)2005.6.25

戦闘機乗りの女性・草薙水素が主人公の、大好きなシリーズの3作目です。
森さんの本には、理系人らしい独特の世界観がありますが、
これは他のシリーズとは少し毛色が違い、ミステリーではなく、
登場人物や場面が限定されて、湿っぽいほどの情感が伝わってくる作品。

主人公は、上司に“兵器”とまで言われてしまう優秀な戦闘員だけれど、
彼女の感情や思考は、一見乾いているようですが、湿っぽいと思います。

草薙は喋らないし、コクピットの中で眠るほど戦闘機が好きで、
そこしか居場所がないと思っている。
他者との関係を出来るだけ排除してはいるものの、
それだけに、親しい人を見る目は、鋭く深い。

たとえば、草薙の甲斐評。(甲斐は、草薙の直属の上司)
「この人の周りには、この人の自信しか見当たらない」
「きっと、そうでないものは、とっくに焼き捨てられたのか、
 無理矢理ポケットに押し込んでいるのだろう」

あと、戦闘機乗りの草薙と、整備士の笹倉の会話がいいのです。

草薙:「ボディが、金属じゃなくて、凄く軽い」
笹倉:「パイロットってのは、本当、それしか考えないよな」

↓戦闘に対する、草薙の講義。

 「つまり、相手も、必死になって見ているんだ。
 必死になって、考えているんだって、そう考える。同じだ。
 同じコクピットが、空にもう一つあって、向こうも必死になって、飛行機を操っている。
 どちらか一方だけしか残れない。どちらかは飛んでいられなくなる。だから必死だ。
 でも・・・・・・、この際だから、どうせなら楽しもうと思う。力を抜いて、
 まず相手を好きになろうって思う。一緒に遊ぼうって思う。」


↓すごいなと思った空の描写。

「まるで、空に沢山のナメクジが集まったみたいに雲が重そうで、
 どろどろと畝っていた。」
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森博嗣著「ダウン・ツ・ヘヴン」を読んだ。この戦闘機乗りのシリーズも、今作でひとまず終了か?専門用語などがあんまり説明無くバンバン出てくるが、意外に女性などにも受けが良いみたい。ドッグファイトの描写は簡潔かつ冷静に状況を説明するだけのものだが、ま....
2005/09/21(水) 07:47:42 | 半端人生
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