高村薫さん・五條瑛さん・福井晴敏さん・古処誠二さん等の小説、海外の海洋小説、歴史、B'z、を糧に生きている人間の日常。
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本★手嶋龍一『ウルトラ・ダラー』
2006年07月08日 (土) | 編集 |
本★手嶋龍一『ウルトラ・ダラー』(新潮社)2006.3.01

前半は、あちこちに話が飛ぶので読みにくいと感じましたが、
後半は、話の流れもすっきりし、ストーリーが掴めるようになりました。

中心に英国人スティーブンを配し、その彼に篠笛を吹かせたり、
着物の話題を入れたり、外交問題に日本の伝統を盛り込むことによって、
華やかな上流社会の雰囲気を醸し出しています。

読んで面白い本だとは思いますが、もうベストセラーになっているので
誉める必要はないと思います。敢えて、辛口でいきます。

精巧な偽札、拉致問題、国家間の確執、外交の駆け引き、など、
小説のジャンルとしては高村さんや五條さんや福井さんと同様と思うのですが
それほど引き込まれないのは、小説の構成や登場人物のせいかと。
普通にミステリーが好きな方ならハマるだろうけれど、
謎解きにだけ興じる小説では物足りないと思うようなタイプには、
やっぱり物足りないかな。
でも一般読者は、「読んで面白い」で良いんですよね。
『ダ・ヴィンチ・コード』でも思ったのですが、ストーリーを追って
謎解きに夢中になれる、好きなキーワードが散りばめられていたら
それで楽しい、という方にはオススメ。
登場人物の魅力云々は、個人の好みが大きく関係してくるから、
一概には言えませんが。
スティーブンが好きな方もいらっしゃるとは思うんですよ。
ポーツマス近くのカントリーハウスで生まれたらしいし。
(『マスター・アンド・コマンダー』を思い出させます(笑))

通奏低音のような、小説の持つ空気も、大切ですよね。
これは、読んだ時の自分の精神状態なども影響するような
直観的であやふやなものなんですが、作品への傾倒の度合いを
決めるのは、そういうものだという気がします。。。

そうしてその点で一番すごいと思うのが高村薫さんなんですよね。
『ウルトラ・ダラー』でも、瀧澤勲アジア大洋州局長の出自が
最初から描かれていたら、『神の火』っぽい陰影が出たのだけれどなぁ。
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