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本★田村秀『データの罠 世論はこうしてつくられる』
2007年03月26日 (月) | 編集 |
本★田村秀『データの罠 世論はこうしてつくられる』(集英社新書)2006.9.20

政治家は、政策に「世論」を反映させると言い、
地検特捜部は「世論」に沿って動いていると言う。
その「世論」は、いったい誰がどこで決めているのか、疑問でした。
テレビ番組で紹介させる「都道府県ランキング」、「内閣支持率」「視聴率」
「犯罪発生率」「阪神が勝ったら○○億円の経済効果」などというものまで
ありとあらゆる数値データが氾濫していますが、どういう人々から
どういう風にデータを取ったのかが分からないので、うさんくさいとしか思えない。
テレビ番組“発掘!あるある大事典”でも、データの改竄や恣意的な解釈がなされ、
結論を歪められていたことが問題になりました。
結論を鵜呑みにするのではなく、その結論が出された過程も疑ってみないといけない。

統計を取る為のデータを集める際に、大切なのは、サンプルの数の多さではなく、
“有効回答率であり、調査の質”なのだそうです。(26ページ)
有効回答率というのは、普段あまり考えていませんでしたが、
確かに、回答率20%と90%では、それを聞いただけで、受ける印象も違ってきます。
回答率が少ないのには理由があるはずで、それだけ多くの人間が回答を拒否したという
その質問には、どういう問題点があったのかを考えないといけない。

それに、回答方法の違いも回答率のみならず、回答そのものに影響します。
例えば、「いまの生活にどの程度満足していますか」という質問に対し、
郵送法での有効回答率は71%で、「満足・まあ満足」が43%だったそうです。
ところが、面接法での有効回答率は59%で、
同じ質問に対し、「満足・まあ満足」と答えた人は、66%。(36ページ)

これは、個別訪問で他人が玄関先に来てアンケートに協力するかどうかと、
他人から面と向かって生活満足度調査をされて、否定的な回答が出来るかどうかで、
回答率も回答も違ってきているという例です。
なるほど!という感じですよね。 
年収や、地方行政の施策を検討した上での回答ではないので、
満足かどうかというのも主観的な判断だけだから、あまりアテになりませんが、
どんなに薄給でも、家が駅から遠かろうとも、福祉が充実してなくても、
満足♪と思って暮らしている人がご近所さんに多いほうが、
治安も良いだろうし、諍いも少ないだろうし、暮らしやすいでしょうね(笑)

ちなみに、平均貯蓄額というのも、あやしい。
こういうものは平均せず、データの散らばりを散布図で表したほうが
現実をよく捉えることが出来るそうです。
そこで導き出される“平均貯蓄額”についての結論は、
“日本人の多くは平均貯蓄額ほどの蓄えを持っておらず、ミキタニさんや
 ソンさんといった一部の億万長者の貯蓄額に引っ張られて、
 庶民の相場観より高い平均値となっているのである”(116ページ)


こうして様々な方法で集めたられた数値データが、人々の精神に影響を与え
世論操作に利用されてしまうのが、厭なんです。だからこの本のタイトルに
興味をひかれたわけですが、著者の危惧なさっている点も同じだと思います。

“具体的な数値目標を設定するケースは、官民問わず多い。
 本来は実現したい目的があって、それを達成するために目標が設定される。
 しかし、現実には数値で示された目標をなんとか達成しようとして、
 ありとあらゆる手法が使われる。結局、本来の目的がおざなりにされ、
 数値目標の達成という手段が目的化しがちである。”(158ページ)


数字の魔法に引っかからないよう気を付けましょう。
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